切妻屋根の一部を解体した写真を見ていたら、屋根が何層にもなっているのに気づきました。野地板とトタンの間に薄い小さな板が何枚も重なって入っています。ということは、建てた当初は木端葺き(こっぱぶき;こばぶき)だったのだろうかと工務店に尋ねてみました。
私たちきょうだい(みんなもう還暦)が子供の頃、家の屋根はすでにトタン葺きでしたが隣家のヤマヨさんの内蔵の屋根は昔ながらの木端葺きで、強い風が吹いた翌日には長方形の短冊の形をした杉の薄板が何枚も庭に落ちていることがありました。当時はまだ家に大きな竈(かまど)があって母が薪を割ったり焚き付け用に杉の枯れ葉を集めたりしていたものですが、焚き付けには木っ端も使えると聞いてせっせと拾ったことを思い出しました。木端葺きはこけら葺きとも言いますね。いまも神社や仏閣で薄い小さな板を無数に重ねて葺いた屋根がありますが、あれです。塩野米松さんという方の説明がとてもわかりやすかったので、リンクしておきますね。
現在の屋根構造
工務店さんによれば、確かに屋根の一部をバラした時の残材に杉の木端が入っていたとのこと。現在の屋根は写真の下の層から順に次のようになっているそうです。
- 元の屋根
- 野地板(屋根板)
- 木端葺き(杉)
- トタン葺き一回目
- おそらく平葺き
- トタン葺き二回目
- アルファルトルーフィング張り
- 横長尺トタン葺き
今回の工法と将来の屋根構造
主屋南棟と北棟の屋根については、屋根材を剥がして新たに葺く「葺き替え」ではなく、既存の屋根の上に屋根材を重ねる「重ね葺き」(カバー工法)を提案してくださっています。
新しい屋根は上記に加えて以下のようになりますね。
- トタン葺き三回目
- 構造用合板張り
- アスファルトルーフィング張り
- 横長尺トタン葺き
写真は構造用合板とそれを従来の屋根の上に敷き込んでいるところです。カバー工法だと二重に(今回は三重に)屋根を葺いている状態になるため、雨や雪に強いという利点があるそうですが、、、そのぶん屋根も少し重くなるのかな? 実は二年前の大雪の時に、雪の重みで一階の部屋の梁に割れが入ってしまったので、ちょっと心配。今度尋ねてみよう。
コメント