写真一枚目は切妻屋根のケラバ(三角の両側の斜辺のところ)の破風(はふ)です。破風板は地上からはさほど傷んでないように見えましたが、実際に職人さんが登って近くで見ると割れやハチが巣を作る穴が多数あったそうで、左右両方とも元の破風を再現する形で新調してもらうことになりました。
上の二枚目の写真は破風を横から見たところです。縦に下がっているのが破風板です、その上の部材(淀:よど)の断面にまん丸い穴が空いているのがわかります。熊蜂(くまんばち;くまばち)の巣の出入り口です。破風板を外す際にも熊蜂が周りをブンブン飛んでいたとか。熊蜂は大きなだけでおとなしい蜂だと思っていましたが、こんなふうに木を齧って中に巣を作るとは!「クマバチ 巣」で検索すると興味深い写真がたくさん出てきましたが、木造家屋にとっては大敵ですね。
下の写真一枚目は、ケラバを解体して破風や他の部材を屋根から外したところ、二枚目が外した古い破風板です。
佐々虎の建物は高い天井に光をふんだんに取り込んだ明るい空間が特徴ですが、細かな装飾は少なくシンプルな意匠を旨としている印象です。この破風板には下端に等間隔で三本の眉(溝)がすっきりと彫られていました。
コメント