熟練した職人さんに破風板加工の手順や工法を教えてもらいました。写真は全て藤原工務店さんの提供です。
目次
板材加工
杉の原木を板材に切断し、二枚の破風板の厚さを揃えるためにプレナー(機械鉋;かんな)で正確な寸法になめらかに仕上げます。
- 厚み 1寸2分(3.6 cm)
- 巾 6寸5分(19.7 cm)
- 長さ 13尺8寸(418.2 cm)
眉欠き
古い破風板の下端には三段の溝が彫られていましたが、この溝を眉(まゆ)と呼び、眉を加工することを眉欠き(まゆかき)というそうです。
破風板に電動工具で三本の溝を加工したのち、鑿(のみ)と鉋(かんな)で仕上げていきます。下の写真一枚目の右の板は三本の溝を機械加工した直後の状態、左の板は眉の直線部分を手で仕上げたのちに眉尻を鑿で彫っているところです。手前から奥に向かってやや深くなるように、つまり鋭角に削っていきます。
最後は切り欠いた面を鉋でなめらかに整えます。鋭角の入り隅のところは、鉋の台の一方の側面と刃先の端が揃っている際鉋(きわかんな)を使って綺麗に仕上げるそうです。
眉欠きが完成した破風板の拝み(おがみ:二枚の破風板が合わさる部分)の断面を横から見てみました。ギザギザを直角ではなくやや鋭角にする事で水切れが良くなるのだそうです。
二枚目反対側(軒の方)の眉尻もシュッとしてスッキリしていますね。
破風板の取り付け
屋根のケラバ(三角形の斜辺の部分)に新しい淀(よど)をつけ、その下に破風板を取り付けます。
完成!
佐々虎の屋根の向こうには、まちの駅 福蔵さん(旧佐藤與五兵衛家)の屋根の天辺と、さらに向こうに木造三階建ての旧石田理吉家の屋根が見えます。どちらも入母屋造(いりもやづくり)の屋根の曲線がおしゃれだな〜。
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